MichaelMorgan 氏の寄稿文

Michael Morgan 先生はCSTのLongevityコース(高齢者、アルツハイマー病に関するコース)を教えている先生で、今回日本にご自身の記事を寄稿していただきました。以下その文章になります。

【日本の高齢化、テクノロジーそして私たちの祖先への敬意】

「CSTの新しい見方」

 私は最近、日本の高齢者に対するテクノロジーとロボットの使用に関する記事を読みました。私は1980年代の大半を産業用オートメーションとロボットの使用、そして日本で顧客にそれを教えていたので、それについて感じるものがありました。

 私たちは皆、日本が世界で最も高齢化が進んでいるということを知っています。 ある意味では日本は世界の他の地域が高齢化にどう対処するかの先駆けです。 私のCST Longevityクラスでは、数千年にわたりさまざまな文化が高齢者をどのように扱っているかを研究した著名な歴史家であるSimone de Beauvoirからある一節を引用しています。 フランス語から翻訳された引用の1つを易しく言い換えると、彼女は「高齢者をどのように扱い、尊重するかによって、その文化に多くの価値を見いだすことができる」と言っています。

「技術」

日米の共通点の1つは、生産性を重視することです。 私たちはアメリカで労働者を訓練することでより高い賃金の仕事を提供し、彼らの技術的な教育を改善することができたことを覚えています。 自動化されたテクノロジーは低賃金の仕事に取って代わりましたが、人間ができないことを実行し、顧客により大きな価値を生み出すことができました。

このテクノロジーの応用は、シニアヘルスケア業界にどのように適用されるのでしょうか?

日本では高齢者を助けるための労働者が不足しており、一部の人々にとっては魅力的な仕事ではないかもしれません。 日本では老人ホームのロボットがとても親しみやすく高齢者と付き添い、そして快適に世話をこなし、また一方では他のスタッフが活動を監視できます。そしてそれはうまく機能しているようです。 たとえば、同じ質問をし続けている人の話を聞くにはある程度の忍耐が必要ですが、ロボットが忍耐を失うことはありません。

ここでひとつ疑問が浮かびます。テクノロジー、このケースではロボットですが、それよりも人間の方がより良くできるものは何か、そしてどのようにしてこれを高齢者に対して使うのか、ということです。そして自分自身や患者の尊厳を高める方法はあるのか、また私たちの専門知識を応用して、両親、祖父母、友人のために物事をさらに良くする方法はあるのでしょうか?

その答えは、CranioSacral Therapyのトレーニングを適用することで、私たちの祖先をどのように尊重できるかを考えることにつながります。

「組織記憶、DNA、脳の液体の流れを通した私たちの遺伝との繋がり」

CranioSacral Therapyのトレーニングが提供するもののひとつは、クライアントの一人一人の内にある非常に微細なインパルスを深いレベルで聴く能力です。 私たちがみつけたLongevityのアドバンスコースでは、例えばセラピストは高齢者を落ち着かせ、より深い感覚と繋がらせ、そして歳を重ねることの不安を和らげることができます。そして同時に将来に対してあまり深刻に考えないようにすることも可能です。これら全てが意図的ではなく自発的に起こるようです。そうできるのは私たちが開発した、クレニオセイクラルリズムを深いレベルで聴くことを練習することによってなされます。

さらにまだあります。私たちは免疫システムやグリア細胞について教えているクラスで見たように、私たちの細胞の原始体への回帰の旅に患者を誘なうことができます。そして同時に自分自身と両親を区別することができ始め、世代を超えてそれらを繋ぐスレッド(thread)に従います。

私たちはLongevityの生徒に、「もし3世代、例えば祖母、母、孫に影響を与えることができたら、その後文化的な変化(culture change:社会や文化の体系が変化すること)が可能になる」と言っています。

つまり彼らの「内なる知恵」が使えると、高齢者の変化の可能性、彼らの神経系や身体の変化に、より大きな利益をもたらします。それは現在ではないもの-遺伝的な青写真(彼らの祖先)にさえ、CSTを通して聴くことによって利益をもたらします。

このプロセスにはもうひとつの側面があります。それは遺産と貢献という側面です。セラピストは、このトレーニングを患者に行なった結果、祖母と祖父が周囲の人々により柔軟に、そして寛大さを見せていると、家族が報告していると言っています。家族は両親や祖父母が年をとっても変化する可能性がある場合、より良い方向に変化するのだということを理解し始めます。 高齢者が彼らの後を追うすべての人々にどれほど貢献できるのでしょうか!

「最高のテクノロジーとCSTのトレーニングを活用する」

私は以前私たち自身と患者のためにセラピストとして最高の価値を生み出すことについて尋ねました。テクノロジーとロボットを最も効果的な場所で使用できるか、またLongevityの技術を習得したCSTセラピストが、必要なときに高齢者を訪問できるでしょうか?彼らが施設にいるにせよ一人暮らしをしているにせよ、私たちが落ち着きの場を作り、高齢者の内なる知恵との繋がりを築く能力があれば、アルツハイマー病の場合は彼らが記憶を改善するのを助けますし、ロボットにはそういうことはできません。また、他にも利点があります。セラピスト自身が高齢者が健康になることに貢献すると、思いやりの心を育み、私たちの前に来た人たちに対する敬意を深めることになるでしょう。

もちろん、この経済学は自動的に行われます。 教育が向上するにつれて工場の労働者がより価値を持つようになると、私たちの周りの社会は動揺が少なくなり、動きが容易になり、自分自身をケアするという機運が高まり、介護者のストレスが軽減されるという利点が得られるので、セラピストの状態は楽になってきます。

私たちは世界中のアルツハイマー病と高齢化に対しどのようにこの課題に取り組むことができるのでしょうか?私たちはLongevityのアプローチとCSTが日本、世界全体の老齢人口について助けることができるということについて共有してきました。

私たちの5年の目標はアルツハイマー病による世界中の死亡を大幅に減らし、加齢とともに私たち全員の生活の質を向上させることです。 このプロセスに参加することをお勧めします。また高齢者の世話をする方法を指導してくれたことに感謝します。 

Michael Morgan LMT、CST-D

1980年代に米国で自動産業用ガラス切断技術を開発し、ドイツ、イタリア、日本で顧客をトレーニングした経験があります。 彼は過去15年間、Upledger Instituteの長寿カリキュラム(Longevity)の開発に携わり、1998年から米国および世界中でCSTを教えてきました。  

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